テニュアの宇宙人
久々に宇宙人と連絡を取った。
私が修士で卒業しなくてはいけなくなった原因分子である。 もちろん修士課程では修論だけに集中していればよかったのかもし れない。しかし、博士課程まで行きたかった私は、 どんな小さな観察でも短報でも構わないから掲載されるのであれば 書きたかった。しかし、 私も過去に同じような現象を見たことがあるからという理由で書か せてもらえなかった。しかし、 宇宙人が決して論文に書き起こすことはない。
私のデータが埋まっていく。
やめて数か月したら、仲良くしていた教授から連絡があった。「 やっぱりあの件、論文にしない?」と。 どっかで宇宙人と折り合いをつけて書いていいということになった んだと舞い上がり、 仕事しながら頑張って英語の短報を書き上げた。 英文校閲にも出した。さて、 あとは宇宙人のGOサインが出るだけだと思っていたら「は? ダメって言ったでしょ?」という内容の返事が。
ああ、私のデータが埋まっていく。
テニュアの助教。宇宙人にしか見えない。
久々にくらった攻撃になんだか胃が痛くなってきた。そして、改めてやめて宇宙人と距離をとってよかったなと思った。あのままあそこにいたら、間違いなく入院が自殺案件になっていたと思う。ははは。そういった意味では、社会人になって、ある程度良識のある人たちの中で働けている幸せを感じずにはいられない。