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エキサイティングな人生を

仕事とジャニーズにまみれる日々

「愛と憎しみの豚」

「愛と憎しみの豚」 著者: 中村安希

 

愛と憎しみの豚

愛と憎しみの豚

 

 

強烈なタイトルである。ひさびさに面白い本を見つけてしまった感覚。あっという間に読破した上に、印象的なところを読み返しもした。本は、著者である中村さんが「豚」になぜだか引きつけられ、なぜ家畜のなかで豚だけが食べることを禁じられたり、嫌われたりするのだろうかという疑問を軸に旅をする旅行記というかエッセイというか、私が今まで読んだことのない類の本であった。
 
論文や参考書と違い、まとめページがなかったのが残念なところだった。確かに、見聞きした話の裏をとり、形にするのには、もうひと手間必要になるから大変根気のいる作業になることは、間違いない。しかし、ちりばめられてはいる知識を吸収し、彼女と旅をしながら豚を見て、考えて、一緒に食べることはなかったが、食欲をそそられ…とても楽しい旅を一緒にさせてもらった気分だ。
 
そして、辺鄙な場所に訪れるという孤独感や人の温かさなんかは、自分がアフリカにいたころを鮮明に思い出させ、時折涙を誘った。そして、ロシアで道に迷い、宿を端から断られ、でも自分でどうにかするしかなくって、奮闘して…本当に手に取るように気持ちが分かった。そう、自分でどうにかするしかないのだ。結論誰かに助けてもらうことになっても、”自分で”困っているということの意思表示をしなければ、誰も助けてはくれない。そんな気持ちもすごく共感してしまった。
 
もう少し自分の中で彼女との旅を反芻させて、違う作品も読ませていただきたいと思う。
 
みなさん、豚肉は好きですか?